kg0024's stock of knowledge

おじさんが語るうんちくばなしあれこれ。

テトリス事件~複雑怪奇な版権と真の勝者~

アーケード版やゲームボーイ版で大ヒットしたテトリス。

パズルゲームといえばテトリス。

旧ソ連アレクセイ・パジトノフ博士が開発したパズルゲームの元祖で、

誰もが一度は夢中になったことでしょう。

 

セガとしてはアーケードで大ヒットしたゲームですから、

当然自社コンシューマ機でも発売を予定していましたが、

1989年4月、メガドライブ版の発売を急きょ中止し、結局廃棄処分にしてしまいました。

これはテトリスを巡る複雑なライセンスの問題がありました。

もともとのライセンス管理を行っていたのは、ソ連外国貿易協会(ELORG)。

そこからライセンスを受けたのがハンガリーのアンドロメダソフト。

そしてイギリスのミラーソフト、アメリカのアタリソフト、

その子会社テンゲン、の順で伝言ゲームのようにライセンスを受けていました。

 

セガはテトリスのライセンスをテンゲンから受けていました。

ところが、アンドロメダソフトがライセンスを受けていたのは、

実は”PC用”のみの権利でした。

 さて、任天堂ゲームボーイ用のテトリスを販売しようと独自に調査したところ、

上記のような絡まったライセンスの関係を知り、

”家庭用ゲーム機全般”に対するライセンスをELORGから直接取得。

 

【テトリス ライセンスの流れ】

 

ELORG →(コンシューマ用)→任天堂

 ↓

(PC用)

 ↓

アンドロメダソフト

 ↓

ミラーソフト

 ↓

アタリソフトテンゲン

        ↓

       セガ

 

これを武器に任天堂テンゲンを著作権侵害で訴え、勝訴しました。

これを知ったセガは、メガドライブ版テトリスを諦めました。

かくして家庭用ゲーム機版テトリスを独占することになった任天堂

ゲームボーイ版テトリスは424万本を売り上げる大ヒット作になりました。

 

ちなみに、1996年にはザ・テトリス・カンパニーが

設立されて版権管理やライセンスの手続きを行うようになり、

 複数の会社からテトリスが発売されるようになりました。