落合博満伝説・その1~凄すぎるバットコントロール術~
今日は、史上最高の右打者と評され、中日監督としても最高の成績を収めた、
天才・落合博満氏の現役時代のエピソードをご紹介します。
ロッテで2年連続の三冠王に輝いた翌年、中日にトレードで移籍しました。
当時は打撃練習場は体育館の周囲と天井にネットを張り巡らせた急造のものでした。
当然、練習しているとボールがネットに乗り、重さで垂れ下がってくるので、
ボールを投げて落とそうとするが、なかなか上手くいかない。
落合氏は「オレが落とすよ」と言い放ち、打球をネットに次々と当てはじめ、
乗ったボールを次々と落とし始めました。
このエピソードについて、セ・リーグの審判部長を務めた田中俊幸さんも
「まるで魔法のようなバットコントロールで、
曲芸かマジックを見ているようだった」と述懐しています。
また、彼は「ゆるい球を自由に打ち返せれば調整はOK」としています。
ナゴヤ球場での打撃練習中のこと、審判が近づいてきたので、
彼は「10本打って何本スタンドに入ると思う?」と聞くと、
その審判は「せいぜい4、5本」と答えました。
緩い球は全力で打ってもなかなか飛距離が出ないものなのです。
すると彼は「8本だ」と言い放ち打ち始めました。
打球はきれいな弧を描き、スタンドに次々に吸い込まれていきます。
結果的に2本がフェンス前に落ち、8本がスタンドイン。
その審判も「信じられない光景であった」と述べています。